お店が儲かるためには、この知識が強力です。⑤

お店が儲かるためには、この知識が強力です。⑤


下記記事の続編として、今回の記事では、これは覚えておきたい限界利益の計算式を紹介します。

損益分岐点売上の計算式からすべてが始まる

今回の記事では、限界利益をさらに有効活用するための具体的な手段(計算式)を紹介します。

かなり使えるネタとなりますので、ぜひご活用ください。

それでは前回記事の続きとして、経営において重要な要素をさらに追加し、これをもって損益分岐点売上を計算していきます。

その重要な要素として、下記のとおり「変動費率」「限界利益率」の2つの要素を追加しました。

この変動費率と限界利益率を用いることにより、経営分析の幅がどっと広がることになります。

売上(※)に対する変動費の割合を「変動費率」、売上(※)に対する限界利益の割合を「限界利益率」といいます。(※)ここでは売上単価を基準としています。

  • Aメニュー価格 :500円・・・(売上単価)
  • 原材料費    :200円・・・(変動費)
  • 変動費率    :40%・・・(変動費率)200円/500円=40%
  • 粗利(粗利益) :300円・・・(1個当たりの限界利益)
  • 限界利益率   :60%・・・(限界利益率)300円/500円=60%
  • 店舗賃料    :30万円・・・(固定費)
  • 売上      :50万円・・・(損益分岐点売上)

変動費率と限界利益率を式にすると、下記⑥⑦式のとおりとなります。

変動費率 = 変動費/売上(%)・・・⑥
     =200円/500円=40%

限界利益率 =限界利益/売上(%)・・・⑦
      =300円/500円=60%


ちなみに、一般的に、売上全体で見た時の限界利益率が25%を切ってしまうと利益を出すのが難しくなるといわれています。

その理由として、薄利多売(原材料費が高いか、原材料費に対して売上単価を低くしているか)になってしまい、多売をすることによる人件費増大やオペレーション管理などの課題により、利益を上げるのが難しい構造になりやすいことが理由として考えられます。

この「限界利益率25%」の基準値は、参考までに覚えておきたい数字です。


それでは次に、変動費率と限界利益率から損益分岐点売上を求める公式を導きだしていきます。

以下は、前記事(限界利益の仕組み(=基礎の式))の③式となります。

売上=変動費+固定費+利益・・・③

この③式を、以下のように変形していきます。

変動費は、「変動費=売上×変動費率」で求めることができるので、これを③式の変動費に代入すると、

売上=(売上×変動費率)+固定費+利益

となります。

さらにこの式を変形すると、

⇒ 売上-(売上×変動費率)=固定費+利益
⇒ 売上(1-変動費率)=固定費+利益
売上=(固定費+利益)/(1-変動費率)

となります。

そして分母の「(1-変動費率)=限界利益率」となりますので、以下の⑧式が導かれることになります。

売上=(固定費+利益)/限界利益率・・・⑧

また、この⑧式は⑦式をシンプルに変形した式ともいえます(固定費+利益=限界利益のため)。

さらに損益分岐点売上を算出したい場合は、⑧式の分子である限界利益(固定費+利益)の利益をゼロ(利益=0)にすることにより、「利益」の部分を消すことができます。

これにより、以下の⑨式が求められることになります。

損益分岐点売上=固定費/限界利益率・・・⑨

この⑧式と⑨式が経営に活かせる重要な式となります。

ぜひこの2つの式は、式だけでも頭に入れておきたいところです。

計算式を知ると見える世界が変わる

上記⑧式と⑨式を使うことにより、損益分岐点や目標売上などの経営において重要な数字をサクッと簡単に計算できるようになります。


たとえば、損益分岐点売上の算出として、本記事冒頭の数値(店舗賃料30万円(固定費)、限界利益率60%)を⑨式に当てはめてみると、

損益分岐点売上の計算(⑨式)

損益分岐点売上=店舗賃料30万円(固定費)/60%(限界利益率)=50万円

このように、損益分岐点売上を速攻で算出できることができます。


さらに⑧式を使えば、「利益」の部分に「欲しい利益(目標利益)」を入れてあげることにより、その利益を達成するために必要な目標売上高を算出することができます。

たとえば、20万円の利益を上げたい場合、

目標売上の計算(⑧式)

目標売上=(店舗賃料30万円(固定費)+20万円(目標利益))/60%(限界利益率)≒83.4万円

上記計算のとおり、20万円の利益が欲しい場合は83.4万円の売上が目標になることがわかります。

このような数値も、計算式を知ることで瞬時に計算できるようになるわけです。

さらに、この目標売上をAメニューの価格(500円)で割ると、83.4万円/500円=1,668個となり、20万円の利益を上げるためにはこれだけのメニュー数を売る必要があるということを導きだせます。

このように、限界利益の仕組みを知るだけで経営に存分に活かせる分析ができるようになります。

しかも、すべて簡単な計算式から計算できる点、非常に有益であるといえます。

こんな使い勝手の良い経営分析手段を使わない手はないでしょう。

限界利益のネタは他にもまだまだ使えるネタがありますので、次回以降にも紹介していきたいと思います。

前進クリエイティブ行政書士事務所